2013年08月27日

手のひらを太陽に。

迂闊に思い出せない。

自分の身にやがて訪れるであろう死に向き合った母が、生きる事ただそれだけしか知らぬ赤子の手を握るその瞬間。
優しく微笑む母の顔と、きょとんとした娘の顔。
涙が出そうで、迂闊に思い出せない。

「家族を、大事にしなさいね」なんて。
これが最後みたいな事を言わないでくれ、と。

「何があっても、どんなになっちまっても、生きていればまた会える」
精一杯の言葉を選んで、何十年振りかに母の手を握った。


今日もまた1日が終わる。

あなたの時計は急に回り始めてしまったけれど、世界は何も変わらずゆっくり1日を終えます。

あなたの身体が心配で、二度と会えなくなる日が来るのは悲しいけれど。

あなたがくれたこの命を、大切に生きていこうと思います。


あなたが、親父と思い出を辿りながら毎日を過ごすように。
僕もいつか、大切な人と共に過ごした人生を笑顔で振り返るでしょう。


ああ、うまく言葉にならない。

いつか心がまとまったら、ギターを弾こう。

今は、後ろ足を大きく蹴って前に進むんだ。


まだ言葉も喋れない娘が、明け方そっと僕の手を握った。

いつか君の手が今よりも大きくなる日が来るから。
大好きな人を放さないよう、その時はしっかりと手を握りしめるんだ。


細々と新曲に取り掛かっていますが、命に対する思いとかそういうのは今抱えきれる自信が無いので、もなか氏の力を借りる事にしました。
急な依頼にも関わらず、「そろそろ作りたいって言うと思ってた」と引き受けてくれました。

カッコいい曲を作ろう。

人生を、楽しもう。


悲しい日が訪れたなら。

気が済むまで泣こう。

あなたが最初に見た僕。

あなたが最後に見た僕。

きっとどちらも涙でいっぱいだけど。
あなたの最後には、力一杯のありがとうを添えたい。
posted by Muu.74 at 22:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年08月08日

笑顔。

幸せが、そうであるように。
悲しみもきっと、分かち合える。

僕たちは、家族なのだから。

力になるなんて強がり言えないけど、僕がいつか年老いて病に倒れ、大きくなった君が会いに来てくれたならきっとそれだけで幸せだと思うんだ。


お母さん、毎晩遅くまでギターを弾いてごめんなさい。
進路相談の父兄面談で、私はあなたに怒鳴り散らしてしまいました。
あの頃の僕が求めていた何かは、きっとあなたとお父さんの日々の苦労で成り立っていた筈です。
頭もすっかりはげ上がって、子供を持つ父親になって漸く解った事がたくさんあります。

どれほどの馬鹿を繰り返しても、今日この日に辿り着けたのはきっと貴方が命を懸けて僕を産んでくれたから。


思い出の姿をした母は、もういない。
戦う事を選んだあなたの姿を、私はしっかりと焼き付けて生きていきたい。
あなた方だけに悲しい思いはさせない。

随分久しぶりになってしまったけれど、一家集合で新しい思い出を作ろう。

きっと、たくさんの綺麗事や強がりを押し流して涙が溢れてくるんだ。

言葉が役に立たない程に。


こうして仕事をしていても、ふと顔を上げるとそこに現実がある。
1日に何度も落ち込む今日の日を、やっと受け入れられるようになってきた。

あなたがきっとそう望むように、俺は今日も美味い飯を食べてたくさん笑い、健やかに過ごします。
悲しくて、悲しくても。

ちゃんと笑って生きていくから。
posted by Muu.74 at 18:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年08月01日

心の整理。

学生時代の友人達や、ごく僅かな仕事の同僚がここを見ている事も承知の上で。
打ち明け話になるかもしれないし、いつものような独り言にしては重すぎる内容かもしれない。

ただ、今の僕には想像も出来ないような辛さや悲しみがやって来るかもしれなくて。
その時、僕はまた泣いてしまうかもしれないから。

そのときはどうか、言葉を求めないので、僕に勇気を下さい。
どうか、胸につかえる想いを整理するために言葉を綴る事を許してください。


そう、二日経った今でも「嘘だろ」って思う。
あんなに元気だったお袋が、ガンだなんて。

卵巣がんの、ステージW。
気休めにも「何とかなるだろう」って状況じゃないのは素人でも解る。
残された時間の宣告は、きっとこれから。

電話の向こうで、親父の口から「一緒に頑張るって、決めた」って言葉が聞こえた。
摘出はままならず、抗がん剤による闘病生活が始まる。
僕や姉が、故郷に帰ってくる日を希望の拠り所にして、「その日まで」「その日まで」って
繰り返していこう、ってそう言った。

人は誰も、いつかは自分の命が尽きると知っているけど、覚悟が出来ているかと言えばそうでは無いと思う。
その覚悟を突然に迫られたお袋はなんてかわいそうなんだろう。

「俺と父さんは、男なんだからしっかりするべよ」
上手い言葉は思いつかなかったけれど、心細さを隠せない親父にそんな言葉が出た。

自分の身に何があろうと。
彼女の身に何があろうと。

世界は何にも気にせず回ってる。
当たり前のように仕事をこなし、今日も夕陽が沈もうとしている。

ずっと同じ繰り返しだと思ってた。
いつかは終わるけど、しばらく続くと思ってた。

お袋は、どんな思いであの夕陽を眺めているんだろう。
現実を見つめれば、自分の体が最期に向かって歩いている事は揺るぎない。
立ち止まる為の精一杯の努力を、はじめた。

突然の事にただ頭を打たれたような思いの僕を、支えてくれる妻と子供に感謝したい。
君たちの人生を守る事が僕の使命で、僕自身もこの先ずっとの自分の命についてもっと真剣に考えたい。

生きていられる日々の、尊さに。
ようやく気付けたのかもしれないと思う。

この命は、親父とお袋が僕にくれた最初の宝物なのだと。


彼女の準備が出来たら、会いに行こう。

母が、自分の為に、どうかせめて、少しでも安心して生きていけるよう。

手を添えてあげたい。


そう、思います。
posted by Muu.74 at 17:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記